「赤道を見せてくれ。赤道をまだ一度も見たことがないので」
と夢に申し立てる。それで今、海の真ん中、どこか熱帯の島のホテルで記帳している。異国の情緒を期待しあたりを見渡すけれど、なにもかもカナーシーの薄汚いコンビニ並みにうんざりするほど月並みだ。「まだ見たことがないやつを見せてくれ」と夢に命令する。
と夢に申し立てる。それで今、海の真ん中、どこか熱帯の島のホテルで記帳している。異国の情緒を期待しあたりを見渡すけれど、なにもかもカナーシーの薄汚いコンビニ並みにうんざりするほど月並みだ。「まだ見たことがないやつを見せてくれ」と夢に命令する。
パラシュートみたいに膨らんで咲き乱れる肉厚の赤道の花たちや、赤紫色のみずみずしい巨大なフルーツを想像しながら。
場面は変わり、自然界のほうは脚色したものの、
ホテルではパッとしないカクテルラウンジにいる
ホテルではパッとしないカクテルラウンジにいる
自分をみつける。客の何人かは正装している。あとは
裸だ。我々はただの集まりでそれぞれちびちびやりながら、
たぶん料理を待っているのだろう。会話を試みるが、
どうということはない。「くだらない!」と私は自分の
夢を叱った。「ホラーをみせてくれ、赤道の超大作ホラーだ!」
摩天楼のようにそびえ脚を突き出す蜘蛛、絶え間なく
現れる無数の悪党昆虫バンパイアを想像し。
一人ずつ、私は仲間の客人を確認しはじめるが、
一見なんの変哲もない。彼らとは全員知りあいで、しかもこちらとしては一秒たりとも共に過ごしたくない連中だ!そして、
皆が部屋中を見渡し他の人間を確認していることにも
気づいた。 その陰気さから全員が互いに共通の嫌悪を見いだしたと推する。
型通りの慇懃さを強いられながら、短い人生でたった一度きりの赤道の休暇をこのサルトリアンの巣窟で、こちらに反感を抱く連中と親密に過ごさなければならないなどということがありえるのか?
やがて夜が明け、「ありがとう」私は自分の夢に礼を言う。
「まさに赤道のホラーだった!」
※カナーシー
ブルックリン南東部の地域、ユダヤ系アメリカ人の住宅地
FORTY-NINE GUARANTEED WAYS TO ESCAPE DEATHより Copyright2011 by Quince Wharf(Translated)
banana trees / minds-eye
FORTY-NINE GUARANTEED WAYS TO ESCAPE DEATHより Copyright2011 by Quince Wharf(Translated)
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